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呆韓論 室谷克実著 産経セレクト 880円


 多くの日本人が韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の、日本を中傷する告げ口外交や、韓国メディアの上から目線の挑発記事に、心穏やかではいられないだろう。これらは主にテレビではなくネット情報だが、読めば呆れるやら、怒りにかられるやら、好意的ではいられない。
 しかし、多くの日本人が韓国についてあまり知らないのではないか。私も知らない。たとえば「とにかく汚い」とか「日本より十年遅れている」「二度と行かない」とか聞いても、イメージが湧かない。だから、韓流といわれる「冬のソナタ」などに、熱中したわけではないが、興味は持てた。それがヨーロッパの映画を真似たようだったので、私には受け入れやすかった。だがこれらはメディア誘導のものだったことが、ほぼ確定している。
 隣国の反日国家・韓国を知っておくべきことかもしれない。日本を攻撃してくる材料は、主に従軍慰安婦問題や強制徴用問題であったりする。それ以外の全てでもあるが…。慰安婦問題では、アメリカに慰安婦の少女像や碑までたてている。日本人はこんなひどいことをしたということを知ってもらうつもりらしい。20万人の女性を拉致して強制的に性奴隷にしたというものだ。良識的な人は、その嘘を見破るだろうが、何も知らない人は信じてしまうだろう。日本及び日本人に対する、明確な名誉棄損行為である。
 このようなさまざまな誤解に対しては、まず日本人自らがこれらの事実関係を知り、反論していくことだろう。根気強く考え、筋を通すことが大事だ。そのことにおいて政治的な瑕疵もないと思う。
 韓国のメディアは日本国内の状況を「どうして嫌韓になった」と中傷してくるだろうが、まずは『呆韓論』を読んでみて、へー、ほー、はぁと呆れることも必要な時期なのかもしれない。今は知ること。
# by namonanjya | 2017-11-22 21:17 | 新書

読売新聞読書週間世論調査’14年

   読書週間世論調査 ◇好きな作家・著者◇
 順位 回答数 男   女
 1(2) 司馬遼太郎 54  (41   13)  読売新聞社が’14年10月27日から始まる読書週間を前に実施した全国世論調査では、新刊を扱う書店が減る一方で、多くの人が書店の必要性を感じていることが分かった。そんな中、住民主導で書店の誘致に成功した自治体もあり、本を読む環境を守る努力も続いている。

 この一カ月に本を読んだ人は48%で3年連続で半数を下回った。

 本を選ぶきっかけは、「書店の店頭で見て」42%が最多で、「新聞や雑誌などの広告を見て」27%、「新聞の書評を読んで」22%が続いた。(読売新聞’14年10月19日朝刊) 
 2(1) 東野 圭吾 52  (19   33)
3(5) 宮部みゆき 34  ( 8   26)
4(3) 村上 春樹 32  (21   11)
 5(17) 夏目 漱石 27  (15   12)
6(7) 池波正太郎 22  (14    8)
7(13) 渡辺 淳一 21  ( 8   13)
8(9) 百田 尚樹 20  ( 9   11)
9(4) 松本 清張 18  (10    8)
  (8) 西村京太郎 18  ( 8   10)
  (11) 瀬戸内寂聴 18  ( 3   15)
12(5) 五木 寛之 15  ( 8    7)
  (36) 山崎 豊子 15  ( 3   12)
14(15) 太宰  治 13  ( 5    8)
  (19) 浅田 次郎 13  ( 9    4)
16(15) 赤川 次郎 12  ( 4    8)
  (21) 吉川 英治 12  ( 8    4)
18(14) 林 真理子 10  ( 1    9)
  (26) 芥川龍之介 10  ( 7    3)
  (28) 三島由紀夫 10  ( 8    2)
  (42) 平岩 弓枝 10  ( 1    9)
( )カッコ内数字は2013年の順位。

# by namonanjya | 2017-11-22 21:04 | 読書

「テレビの罠」コイズミ現象を読みとく 香山リカ ちくま新書 ¥680

 なんか、ちょっとヘン!コイズミ劇場、刺客、くの一、ホリエモンブーム、心霊占い…。「罠」を仕掛けているのは誰だ!?

 2005年、衆議院選挙に自民党は大勝した。郵政解散選挙だ。著者も自民党に一票を投じた一人である。
 自民党の議席は296。民主党113。公明31。その結果に、多くの国民は驚いた。しかし、選挙後の世論調査では、自民党が勝ちすぎた不安が多く寄せられた。
 本書では、様々な角度から小泉劇場の分析を試みる。
 影で世論を操作したわけではないが、テレビが一役かったのが、むなしいという人もいると。小泉総理をヒトラーに喩える人もいる。
 テレ権力について、デリダを引用し触れている。
 「テレビを視聴するときは、誰が権力を持ち、誰が決定し、誰が何を選択し、選別しながら」見ようと。
 社会がフラットな世界になり、視聴者は小泉劇場に快哉し、権力と一体化し、時には「マンション耐震偽装問題では」権力を攻撃したりする方に回る。ここにこそテレビの罠があるという。
 人々はテレビに失望し、なおもそこから離れられないとし、それがテレビだという。

 韓国の「ES細胞捏造事件」ではテレビの大きな力があつたという。追求し続けたのは、韓国の民放のひとつの番組だったという。そこで「国益と真実は一致する。長期的国益は真実を常に語ることでしか、守ることはできない」とし、「テレビの罠」を「テレビの夢」に変えることができるだろうと、自問している。

 テレビは真実を追求し続けるところに、その存在意義があるということかもしれない。それを放棄すれば、テレビは視聴者には罠にしかならないということだ。

引用書 『テレビのエコーグラフィー  デリダ<哲学>を語る』 原宏之訳  NTT出版  2005年
(06年3月27日感想記す)
# by namonanjya | 2017-11-12 20:42 | 新書

テレビの嘘を見破る 今野勉 新潮新書  ¥700


 この本はやらせと思われる事件を巡って、制作者と視聴者の議論の溝を埋めるために、試みられたもの。
 視聴者側からみれば作為であるものが、制作者から見ればテレビ界の常識になる。母子象のCM、北極グマの撮影などの例で、作為=工夫を紹介している。さらに演出=工夫を、やらせと背中合わせと考えられるものを3例取上げている。
 ここから再現映像のどこが問題なのかを具体例をあげている。著者はディレクターとして、10年ほど「七人の刑事」、40本ほどの「遠くへ行きたい」など制作している。
 「遠くへ行きたい」では、頼みもしないのに長野村民の自主的な協力で、結婚式の模様を全て演技で再現し、撮影できた。
 ドキュメンタリーの再現は、真実を伝えるためには使うべきだ。あるいは、物事の本質を見きわめ、表現すべき目的を明確にきめ、その上で目的が正しければ、そのための手段は何でも許されるという意見もある。
 ネパール自治区の人々の生活や風習を描いた、NHKスペシャル「禁断の王国・ムスタン」のやらせや虚偽を検討している。これら内部の人の常識は犯罪とみなされた。しかしこれらの社会倫理は時代とともに変化する。沖縄の島の旱魃を描いた「水と風」の、一頭の牛が乾きのあまり、海に入っていくシーンでは、牛をロープで括って引っ張った。こういうことをマスコミが知っても、当時批判はなかった。
 やらせは見破れないという。依頼され合意の下で暴走する少年、看護婦にアンケートをとるコーナーも実は看護婦ではなかった。やらせは一般の視聴者には見破れないそうだ。そう指摘した人は、ひとりもいないそうだ。
 やらせと報じられた「最後の漂海民サマ族・国境のない人々」は、風俗や慣習や文化の典型を映像として記録しようとするもので、記録の資料性が眼目だ。
 国によっても考え方が違う。再現を含むドキュメンタリー作品「黒い収穫」が国際映画祭の大賞を受賞した。ポール・ローサの『ドキュメンタリー映画』には、映画連盟が十四カ国の連盟で発表したものがある。
 「ドキュメンタリー映画とは、事実の撮影または真実なかつ正当な再構成によって、‥‥」となる。
 ドキュメンタリーの事実は、正確でなければ、見るものが間違った判断をしてしまう。操作された情報は、資料価値も商品価値もない。
 そこで子供の頃から学校で、メディア全般のイロハ(メディア・リテラシー)を教えるべきだ。そこから制作側と見る側が事実を通して、喜怒哀楽を共有する、それが原点だろうと著者は語る。

 この本は一読に値する。例として検討されている部分だ。再現の記録の資料性というが、再現には憶測や、作り手の意図的な作為が入りやすい。
 おしゃれ事件のことを考えると、視聴者には見破れないというのは、私も確認している。私の抗議文がテレビ側に届いたと見られるとき、テレビ側がどれほど度肝を抜かれたか、見て知っている。そして視聴者に見破れないという前提が、おしゃれ事件を生んだことも。(06年4月6日)
# by namonanjya | 2017-11-07 00:13 | 新書

天才はなぜ生まれるか 正高信男 ちくま新書 ¥680


天才はなぜ生まれるか 正高信男 ちくま新書 ¥680_f0384175_20045715.gif
 天才の個性を彩っている独創性は、ある能力の欠如による結果として、生み出される場合が多い。 広義の意味での、学習障害を持って生きた6人の物語を紹介。
 知的障害のかなりのものが、遺伝性である。天才は、障害があったからこそ、後世に名を残すことができた。健常者の生は画一的であり、どんぐりの背くらべである。しかし、障害者はそうではない。
 エジソンは小学校入学当時、典型的な落ちこぼれ生徒だった。一定のレベルに達しないエジソンは、学校に行くことをあきらめざるを得なかった。彼は注意欠陥障害である。次から次へと違った対象へ、注意を移動させていくことが、困難なのである。一ヶ所に注意が釘づけになり、ボーとしているように見えた。
 しかし、いったん注意が向くと、そこに集中してしまう。目標に対して頑張り、働きに働き、それでいてくよくよしないのは、注意欠陥障害の光の部分である。電球のフィラメントの材質を求める執着心は、障害の裏返しだった。
 アインシュタインは特殊相対性理論を発表した当時、他の物理学者との交流はなく、研究者としての環境に生活していなかった点を考えても、彼の天才ぶりがよくうかがえる。
 ボーと自失状態で長い時間を過ごす事も珍しくなかったのだろう。周囲からすれば、ただの怠惰とも見える生活態度が、相対性理論を生む温床だったのである。しかも彼は一貫して落ちこぼれであった。秀才ではなく、のろまなやつと呼ばれ、クラスでは異端児扱いされていた。暗記科目は成績が悪かった。得意科目は数学とラテン語で、後はダメだった。
 彼の障害は、基本的には言葉の理解にまつわるものだった。彼の脳の標本から判断すると、読み書きと計算の学習が困難であるという、狭義の学習障害であったと考えられる。相対性理論は思いついても、九九はできないのだ。
 今の学校制度に即すればレオナルド・ダ・ヴィンチも落ちこぼれだった。読み書き計算が勉強の原点かもしれない。しかし、本当の学力というのは、漢字を正しく多く書けたり、英語の難しい本が読めたり、計算が間違いなくできたりすることとは、あまり関係していないという事実を、二人の障害は示唆しているのかもしれない。
 レオナルドの写実への傾倒を支えていたのが、自分の見たままに表現したいという熱望だった。馬や人間の死体を切り開く姿に、怖気をふるう一般人に、これこそ神を知る唯一の方法と言い放ったときに、彼はルネッサンスのヒーローになった。障害を負っていたからこそである。
 彼の行った解剖は、形態学として生命科学の根幹をなすものとみなされるようになった。やがて神の支配に引導を渡し、人間が主役という時代を作り出した人物、万能の天才という虚像がつくられた。
 他に、アンデルセンは、ラテン語をマスターするのに、文法障害があった。
 グラハム・ベルは自閉症で、他者と情緒的に感応したり共感したりすることが、非常に困難であった。
 ウォルト・ディズニーは多動症だった。計算はできない、文字もろくにつづれなかった。しかし、大道芸のようなものには、天賦の才があった。
 6人の事例から、これらは遺伝的な要因によって、誰にでも起こり得る可能性がある。
 こうした多様な知的障害はサルでは見ることができない。人特有のものである。知的能力には多様な面があり、計算が得意でも、音楽はまるでダメという例がでる。しかし、障害を持ったゆえに、能力が開花することを無視してはならない。
 6人の人生を考えると、彼らの成功に、学校教育が何らかの貢献をしたケースは、どれひとつもなかったことである。わが国は教育水準は高いが、悪い意味で、どんぐりの背くらべの子供を育てる、風土を作ってきたのかもしれない。
 天才を彩る独創性は、ある能力の欠如による結果として、生み出される場合が多いということである。(06年3月31日 )

(追記)
 6人の知的障害の事例が紹介された。これらは遺伝的な要因によって、誰にでも起きる可能性がある。
 こうした多様な知的障害はサルでは見ることができない。人特有のものであり、知能が発達していることの表裏一体をなしているものである。知的能力には多様な側面があり、計算が得意でも、音楽はまるでダメという例がでる。しかし、障害を持ったゆえに、能力が開花することを無視してはならない。
 6人の人生を考えると、彼らの成功に、学校教育が何らかの貢献もしたケースは、どれひとつもなかったことである。我が国は教育水準は高いが、悪い意味で、ドングリの背比べの、子供を育てる風土を作ってきたのかもしれない。
 小泉政権によって、教育基本法によって、国を愛する心まで強制し、先の大戦の過ちを再び犯し始めている。教育の画一化を憂える。多様であっていいということが、天才を生む土壌であろうと思う。

# by namonanjya | 2017-11-05 21:32 | 新書


本と本に関わる日常録


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